赤と黒の制服に刻まれた、アムステルダムの歴史と少女たちの絆
19世紀から20世紀にかけてオランダの美術界を牽引したニコラス・ファン・デル・ワーイは、アムステルダムの市民孤児院(ビュルガー・ウェースハイス)で暮らす少女たちをこよなく愛し、繰り返し描きました。
彼女たちがまとっている特徴的な制服は、アムステルダムの市章に由来する、街の歴史を背負った由緒あるものです。
この孤児院は当時、街の誇りとして旅行ガイドでも訪れるべき名所として紹介されるほど有名でした。
廊下を静かに歩む少女たちの向こうには、アムステルダムの美しいシルエットが霧のように浮かび上がっています。
そこには、厳しい社会の中で寄り添い合って生きる少女たちの、ひたむきで気高い絆が優しく表現されています。
クラシックな美しさを醸し出す、シックな陰影と鮮やかな「赤」の差し色
抑えられたシックな背景のトーンに対して、少女たちの制服の鮮やかな「赤」と深い「黒」が、画面に美しいリズムと確かな生命感を与えています。ファン・デル・ワーイの柔らかく光を捉える筆致は、古いレンガの廊下の質感や、オランダの涼やかな空気の温度までを美しく描き出しています。クラシックな雰囲気のアンティーク家具や、木製の重厚なフレームと見事に調和する気品ある絵画です。リビングや書斎、あるいは静かな玄関に飾ることで、お部屋全体に知的な気品と、歴史の温もりを添えてくれます。
